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家の近所に昔からあるのだけれどタイミングが合わなくて行けずにいた、秘密基地のようにひっそりと建つパン屋さんへ2016年の春、ようやくうかがうことができた。

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夫婦でそれぞれパン屋さんと美容院を併設して営業しているらしい。
中に入るとまず奥さんの立っているパン屋さん、その朝焼かれたおいしそうでかわいいたくさんのパンが木の棚にならんでいて、その棚のもっと奥、壁のむこう側からはきっと旦那さんなのであろう男性のたのしげでやさしそうな笑い声が聴こえていた。

どれくらいの時間悩んでいたかわからないほど真剣にひとつひとつパンをえらび、合計7つのパンをトレーに入れた。
(そのうち3つは恋人の両親の胃袋へ)
4つのうちのふたつを桜満開のサッカーグラウンドにて恋人とはんぶんこにして食べた。

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写真はこのお店で1番人気のくるみパン、売切れがちなのにこの日は買うことができた。
本当にいままで食べたことのあるパン屋さんのパンの中で1番おいしくて、それだけでもシアワセだとおもうのに満開の桜の下、恋人と食べているこれが朝ごはん。1日のはじまりなのかとおもうと震えるほどの幸福だった。

わたしがパンをはんぶんこにして食べたいと考えるようになったのは、この映画の影響である。


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パンを分け合う人々のことをどこかの言葉で「カンパーニュ」と呼ぶらしく、それを「家族」と捉えたおじいさんに「ぼくは仲間だと思います」と答えるシーンや、この夫婦がパンを食べるとき必ずはんぶんこで食べるシーンがとてもすきで、これを見たときからすきなひととはなるべくおいしいパンをはんぶんこで食べたいと考えていた。

きっと恋人にはそれがバレているとおもう。
(日頃から本や映画に影響を受けやすい)

日記をはじめようと思ったのもこの日のそれが心からシアワセではやくなにかに記し、残したいと思ったから。相変わらずボキャブラリーはないけれど、わたしは丁寧に文書を記すことはできる。

もっとオトナになっていつか恋人のことをキライになるほどのケンカをするようなことがあれば、またこれを読み返して泣きたい。

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